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2007.07.17
創作・裕樹編 -It started with a kiss 19−
2日後、僕は好美の家の前にいた。
もちろん朝9時に病院から家まで送ったのも僕だ。
「無茶しないように!」と、好美にではなくなぜか僕に念を押して病院から送り出してくれた主治医のお兄ちゃん。
この夏、日本中の20歳男性のなかで僕ほど無茶をしていないヤツはいないと思うんだけど(笑)。
本当は病院からそのまま20歳の思い出作りに直行したかったけど、「どうしても1回家に帰りたい」という好美の希望を聞き入れたってわけだ。
好美を家に送り届けて、僕はそのまま一旦用事をすませてから再びこの家を訪れた。もう午後1時を回っていた。
もちろん朝9時に病院から家まで送ったのも僕だ。
「無茶しないように!」と、好美にではなくなぜか僕に念を押して病院から送り出してくれた主治医のお兄ちゃん。
この夏、日本中の20歳男性のなかで僕ほど無茶をしていないヤツはいないと思うんだけど(笑)。
本当は病院からそのまま20歳の思い出作りに直行したかったけど、「どうしても1回家に帰りたい」という好美の希望を聞き入れたってわけだ。
好美を家に送り届けて、僕はそのまま一旦用事をすませてから再びこの家を訪れた。もう午後1時を回っていた。
僕がインターフォンを押すと好美の弟が出てきた。
「裕樹兄ちゃん、暑いから中どーぞ!姉ちゃんすぐ来るって」
そう、僕は好美の弟・翔太(勝手に命名)から『裕樹兄ちゃん』と呼ばれている。
弟気質で育ってきた僕のことを『兄ちゃん』扱いしてくれるカワイイヤツだ。
この夏休み期間は病院で時々今年大学進学を控えている翔太の英語の勉強も見てやった。
斗南高校在学中の翔太が目指しているのは、やっぱりエスカレータで斗南大だ。まっ、こいつはC組だし、好美や琴子と違ってよっぽどのことが起こらない限り心配はないだろう(笑)。
涼しいリビングに通されてソファーに腰掛けると
「裕樹君わざわざ悪いわねぇ〜」
そう言いながら好美のお母さんがアイスコーヒーとクッキーを持ってやってきた。昔お兄ちゃんと琴子がバイトしていたファミレスのクッキーだ。おばさんはもう僕の好みも熟知していた。
「せっかくの外泊日に僕んちに泊めるだなんておじさん怒ってませんか?」
僕は恐る恐るおばさんにきいてみた。
あの日勢いに任せておばさんに外泊許可を取ったものの、おじさんにはまだ直接一言も言ってなかったから・・・。
身近にいたイリちゃんおじさんは、元々同居していたこともあって琴子とお兄ちゃんの両親公認同棲には娘を持つ父親としてなんら反対しなかった。それどころか喜んでいて位だ。まっ、それもほんの3週間弱で正々堂々と夫婦という関係になってしまったんだけど。
でも、娘を持つお兄ちゃんをみてるとどうも寄ってくる男がしゃくに触るようだ。それが1〜2歳の子供であろうが、叔父である僕であろうが。
現に葵が僕と結婚したいと言った時はあきらかに不機嫌になった。金之助の息子、2歳の銀之助が葵にkissしようとするのだってさりげなく阻止してるのを目撃したことあるし。
以前は平気で好美と旅行に出かけたことだってあるのに、(男親とはそういうものかのか?)とやっと悟った僕は、好美のお父さんのことが少し気になっていたんだ。
「ああ、お父さんは好美のお願いに弱いから(笑)。もう裕樹君とは長いつきあいだし、あんなに献身的にお見舞いに来てくれたこともちゃんと知ってるし、全然大丈夫よ。それにお昼休みに病院に会いに行ったとき、入江先生が『うちには担当医も担当ナースもついてますから』って言いに来てくれたそうよ」
少し好美に似てる朗らかな笑顔でそう言ってくれた。父親って娘に弱いんだな、そしてお兄ちゃんまで後押ししてくれたのがなんだかおかしくて思わず口と頬の筋肉が緩んでると
「裕樹兄ちゃん、もうすぐアメリカに行っちゃうんだろ?」
と翔太が聞いてきた。
「うん、明明後日出発。だから翔太がお姉ちゃんの力になってくれよな」
「わかったよ。裕樹兄ちゃんも頑張ってきてね」
「ああ」
僕はお兄ちゃんが神戸の病院にいく前の晩に、僕の肩に両手を置きながら言った言葉を思い出していた。
「まだ中学校卒業したばっかりのおまえに言うのは心苦しいけど・・・裕樹、大変だろうけどオヤジやおふくろと・・・琴子のこと頼むな」
「うん。僕頑張るよ。お兄ちゃんも頑張って沢山の人の病気を治してあげてね」
あれからもう何年経っただろう。今では僕がこんなことを言う立場になるだなんて。
巡り合わせって面白いなと思いつつ翔太に話しかけた。
「大学合格したら遊びに来いよ。案内してやるから。」
「えっ?1人で行ってもいいの?。姉ちゃん一緒じゃなくても行っていい?」
「いーよ(笑)。」
「ホント?。じゃ、約束!」
今時の高校生にしては純粋な翔太は僕に指切りをせがんでくる。甘え方がちょっと好美に似てる。そこがまたかわいかったりする(笑)。
もちろん僕は快く指切りに応じた。
と、階段を下りる不規則なスリッパの音が聞こえた。
僕はすかさずソファーから立ち上がって廊下に出た。
「裕樹君、待たせてごめんね!」
好美が松葉杖をつきながら慎重に階段を下りてきていた。
「手かそうか?」
階段の下から声をかけた。
「ううん、大丈夫だからそこで待ってて」
そう言うとまたゆっくり下り始め、ようやく僕の所に到着すると「すごいでしょ」と達成感に満ちた顔でピースマークをかざした。
久しぶりにナチュラルメークしてる好美を見て胸がドキッっとした。すっぴんもいいけど、化粧するとやっぱり女の子は色っぽくなる。
服装もいつも病院でみてるTシャツにハーフパンツではなく涼しげな膝丈ワンピースだし。極めつけはいい匂いまでするじゃないかぁーっ!。
「どうかした?」
「別にどうもしないよ。もう行く?」
僕は動揺がバレないように話を変えて向きも変えた。
お兄ちゃん所有のエスティマは後部座席が足が伸ばせる仕様になっているので今の好美にはもってこいの車だった。今日1日は僕が好きに使っても良いってことになっている。
僕は好美を後部座席に乗せてエンジンをかけた。
目的地は僕の家だ。ここから車で15分かからない。
後部座席からの視線を感じた僕は視線だけあげてルームミラーを見た。
身を乗り出し気味に僕のことを見てる好美がそこに映っていた。
「何?」
「えっ?。あ、ああ、運転する裕樹君、格好いいなぁ〜って見とれちゃった。」
相変わらずストレートに僕を幸せな気分にさせてくれるヤツだ。僕は今日の好美の姿を見ても息をのむしかできなかったっていうのに。
なら、もう少し運転してる僕を堪能させてあげようか(笑)。
「せっかくだからちょっとドライブする?。足が大丈夫ならだけど」
ルームミラー越しに好美に話しかけた。
「ドライブするっ!。久しぶりのデートだもん!」
更に身を乗り出してきた好美を左後ろに感じて、僕は手を伸ばして頭を撫でた。まっすぐ行けば僕の家、でも左折ウィンカーを出した。
家から一番近い海、横浜まで車を走らすことにした。片道30分強、そんなに好美の負担にならないだろうと思ったから。
To be continued...
「裕樹兄ちゃん、暑いから中どーぞ!姉ちゃんすぐ来るって」
そう、僕は好美の弟・翔太(勝手に命名)から『裕樹兄ちゃん』と呼ばれている。
弟気質で育ってきた僕のことを『兄ちゃん』扱いしてくれるカワイイヤツだ。
この夏休み期間は病院で時々今年大学進学を控えている翔太の英語の勉強も見てやった。
斗南高校在学中の翔太が目指しているのは、やっぱりエスカレータで斗南大だ。まっ、こいつはC組だし、好美や琴子と違ってよっぽどのことが起こらない限り心配はないだろう(笑)。
涼しいリビングに通されてソファーに腰掛けると
「裕樹君わざわざ悪いわねぇ〜」
そう言いながら好美のお母さんがアイスコーヒーとクッキーを持ってやってきた。昔お兄ちゃんと琴子がバイトしていたファミレスのクッキーだ。おばさんはもう僕の好みも熟知していた。
「せっかくの外泊日に僕んちに泊めるだなんておじさん怒ってませんか?」
僕は恐る恐るおばさんにきいてみた。
あの日勢いに任せておばさんに外泊許可を取ったものの、おじさんにはまだ直接一言も言ってなかったから・・・。
身近にいたイリちゃんおじさんは、元々同居していたこともあって琴子とお兄ちゃんの両親公認同棲には娘を持つ父親としてなんら反対しなかった。それどころか喜んでいて位だ。まっ、それもほんの3週間弱で正々堂々と夫婦という関係になってしまったんだけど。
でも、娘を持つお兄ちゃんをみてるとどうも寄ってくる男がしゃくに触るようだ。それが1〜2歳の子供であろうが、叔父である僕であろうが。
現に葵が僕と結婚したいと言った時はあきらかに不機嫌になった。金之助の息子、2歳の銀之助が葵にkissしようとするのだってさりげなく阻止してるのを目撃したことあるし。
以前は平気で好美と旅行に出かけたことだってあるのに、(男親とはそういうものかのか?)とやっと悟った僕は、好美のお父さんのことが少し気になっていたんだ。
「ああ、お父さんは好美のお願いに弱いから(笑)。もう裕樹君とは長いつきあいだし、あんなに献身的にお見舞いに来てくれたこともちゃんと知ってるし、全然大丈夫よ。それにお昼休みに病院に会いに行ったとき、入江先生が『うちには担当医も担当ナースもついてますから』って言いに来てくれたそうよ」
少し好美に似てる朗らかな笑顔でそう言ってくれた。父親って娘に弱いんだな、そしてお兄ちゃんまで後押ししてくれたのがなんだかおかしくて思わず口と頬の筋肉が緩んでると
「裕樹兄ちゃん、もうすぐアメリカに行っちゃうんだろ?」
と翔太が聞いてきた。
「うん、明明後日出発。だから翔太がお姉ちゃんの力になってくれよな」
「わかったよ。裕樹兄ちゃんも頑張ってきてね」
「ああ」
僕はお兄ちゃんが神戸の病院にいく前の晩に、僕の肩に両手を置きながら言った言葉を思い出していた。
「まだ中学校卒業したばっかりのおまえに言うのは心苦しいけど・・・裕樹、大変だろうけどオヤジやおふくろと・・・琴子のこと頼むな」
「うん。僕頑張るよ。お兄ちゃんも頑張って沢山の人の病気を治してあげてね」
あれからもう何年経っただろう。今では僕がこんなことを言う立場になるだなんて。
巡り合わせって面白いなと思いつつ翔太に話しかけた。
「大学合格したら遊びに来いよ。案内してやるから。」
「えっ?1人で行ってもいいの?。姉ちゃん一緒じゃなくても行っていい?」
「いーよ(笑)。」
「ホント?。じゃ、約束!」
今時の高校生にしては純粋な翔太は僕に指切りをせがんでくる。甘え方がちょっと好美に似てる。そこがまたかわいかったりする(笑)。
もちろん僕は快く指切りに応じた。
と、階段を下りる不規則なスリッパの音が聞こえた。
僕はすかさずソファーから立ち上がって廊下に出た。
「裕樹君、待たせてごめんね!」
好美が松葉杖をつきながら慎重に階段を下りてきていた。
「手かそうか?」
階段の下から声をかけた。
「ううん、大丈夫だからそこで待ってて」
そう言うとまたゆっくり下り始め、ようやく僕の所に到着すると「すごいでしょ」と達成感に満ちた顔でピースマークをかざした。
久しぶりにナチュラルメークしてる好美を見て胸がドキッっとした。すっぴんもいいけど、化粧するとやっぱり女の子は色っぽくなる。
服装もいつも病院でみてるTシャツにハーフパンツではなく涼しげな膝丈ワンピースだし。極めつけはいい匂いまでするじゃないかぁーっ!。
「どうかした?」
「別にどうもしないよ。もう行く?」
僕は動揺がバレないように話を変えて向きも変えた。
お兄ちゃん所有のエスティマは後部座席が足が伸ばせる仕様になっているので今の好美にはもってこいの車だった。今日1日は僕が好きに使っても良いってことになっている。
僕は好美を後部座席に乗せてエンジンをかけた。
目的地は僕の家だ。ここから車で15分かからない。
後部座席からの視線を感じた僕は視線だけあげてルームミラーを見た。
身を乗り出し気味に僕のことを見てる好美がそこに映っていた。
「何?」
「えっ?。あ、ああ、運転する裕樹君、格好いいなぁ〜って見とれちゃった。」
相変わらずストレートに僕を幸せな気分にさせてくれるヤツだ。僕は今日の好美の姿を見ても息をのむしかできなかったっていうのに。
なら、もう少し運転してる僕を堪能させてあげようか(笑)。
「せっかくだからちょっとドライブする?。足が大丈夫ならだけど」
ルームミラー越しに好美に話しかけた。
「ドライブするっ!。久しぶりのデートだもん!」
更に身を乗り出してきた好美を左後ろに感じて、僕は手を伸ばして頭を撫でた。まっすぐ行けば僕の家、でも左折ウィンカーを出した。
家から一番近い海、横浜まで車を走らすことにした。片道30分強、そんなに好美の負担にならないだろうと思ったから。
To be continued...
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